2012年4月7日土曜日

エアバッグ - Wikipedia


エアバッグ(Airbag)とは主として内部にて火薬を爆発させることによって生じた気体をバッグに送り込むことによって衝撃を吸収する装置のこと。

身近なところでは自動車の乗員保護システムの中の1つとしてエアバッグがあり、SRSエアバッグシステムSRSSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略)と呼ばれる。Supplemental(補助)とあるように、エアバッグはあくまでシートベルトをしていることを前提として作られている乗員保護システムの1つである。

初期には運転席にしか存在しなかったが、現在では助手席、側面からの衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、膝にかかる衝撃を緩和するためのニーエアバッグなどがある。(標準装備かオプションかは車両によって異なる)

オートバイ・自転車のライダー用や歩行者用のエアバッグも販売されている。また、火星探査機が火星に着陸する際にエアバッグを利用して着陸するなど、さまざまな方面で衝撃吸収のために利用されている。

[編集] エアバッグの仕組み

通常、袋体はコンパクトに折り畳まれてスマートに持ち運びができ、いざというときにはその中に気体を入れ、空間の許す限り対象物に相当した大きさに膨張させ、衝撃から対象物を守る。この一連の動作は、おそらく、人が日常接する風船のイメージにより、多くの人に良いイメージをもって歓迎される。

適した容積を持つ袋体に対象物が衝突する際、袋体内部の気体を外部に放出、もしくは内部で移動させることにより、衝突時の対象物に発生する衝撃を吸収(または緩和)する。

技術者でありアメリカ海軍に所属していたJohn W. Hetrickは、現在のエアバッグにあたる安全クッションを1952年に設計し、翌年1953年に特許を取得した。彼は魚雷で用いられている空気圧縮技術を応用して、自動車事故の安全性を高めることを思いついた。Hetrickはアメリカの自動車会社でも働いていたが、会社側は彼の発明を製品化することに興味を示さず、この発明から10年以上たつまで市場に出ることはなかった。

Allen K. Breedは衝突検知の技術を発明し、開発した。Breedコーポレーションは、1967年にこの技術をクライスラーの車に搭載し初めて市場に出た。同様の衝突抑制器"Auto-Ceptor"はEaton, Yale と Towne Incによって開発され、フォードに搭載された。この技術はすぐにアメリカで自動車安全システムとして販売された[1][2]。一方、イタリアのEaton-Liviaカンパニーはこれを改良したローカライズされたエアバッグを販売していた[3]

日本でのエアバッグの発明は1963年に遡る。特許申請事務代行業のGIC(グッドアイデアセンター)を経営していた小堀保三郎が、飛行機事故などで、衝撃を緩和させ、生存率を改善させる装置として考案した。後に一般的に搭載されるようになったエアバッグではあるが、当時としてはあまりに奇抜な発想だったため、発表の場では、日本人の関係者からは失笑を買い、相手にされることはなかった。また、エアバッグが、火薬の使用が当時の日本の消防法に抵触してしまうことから、日本でエアバッグが開発されることはなかった。一方、欧米の企業では、エアバッグの研究、開発が進められ、それにあわせて法規も整えられていった。開発が進むにつれ、その有用性が認められ、1970年頃からは日本でも本格的な開発が始まった。現在� �エアバッグは、世界中の自動車で、ほぼ標準装備となっているが、小堀が特許を有していた間は、実用化されていなかったため、特許による収入がなく、研究費などで借金を抱えていた。なお小堀はエアバッグの世界的な普及を知ることなく、1975年8月30日、生活苦から夫婦でガス心中を遂げている[4]

エアバッグが最初に実用化されたのは、1970年代中盤のアメリカにおいてである。当時のアメリカにおいては車に対するロマンがなくなるという理由で、シートベルトの着用を法律で義務付けることに対して世論などから反発があった。そのため、シートベルトをしないでも死なないシステムを作るということがメーカーに課せられた課題となった。1971年、フォード社が顧客の車両にエアバッグを取り付け、モニター調査を行った。1973年にはゼネラル・モーターズ(GM)が、キャデラック、ビュイックなど数車種の量産車での装備を可能とした(ただし、エアバッグの誤作動による事故が発生したため1977年に生産中止している)。


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1980年にはメルセデスベンツが、高級乗用車Sクラスにオプションとして装備した。メルセデス・ベンツが開発時に取得した特許は、安全はすべてのメーカーが享受すべき、の信念のもと、無償で公開された。初期のエアバッグは、一部の限られた高級車にオプション装備として搭載されるのみであったが、次第に乗用車のほとんどでオプションとして搭載されたり、上級モデルには標準装備されたりするようになった。一時期、エアバッグ発明前の古い車でも装備できるよう、後付の機械式エアバッグ(レトロフィット エアバッグ)を製造・販売した会社もあったが、あまり売れず、現在は入手不可能となっている。

日本車初のエアバッグ搭載車は、1987年にホンダが発売したレジェンドである。日本車では1990年代中盤から急速に普及した。

2009年現在では一部の安価な車種を除き、日米欧の大手自動車メーカーのほぼ全ての車種に標準装備されている(運転席・助手席。それ以外は、現在もオプション装着のものが多い)。 唯一、ボルボでは、車の購入時に助手席エアバッグを装備しない選択もできる。また、助手席エアバッグの作動キャンセル機能や、車の購入後でも助手席エアバッグを作動しない状態にするサービスがある。これは、助手席に小さな子供を乗せて走るユーザーへの配慮である。

また、運転席・助手席の座席サイド部分に内蔵されているサイドエアバッグ、ルーフライニングのサイド部分に内蔵されているカーテンエアバッグ、インパネ下部に内蔵されている下股部を保護するニーエアバッグも搭載されるようになった。その後、乗用車はもちろん、軽自動車、貨物自動車、バスにも搭載されている。しかし、欧州メーカーと比較すると多くの国内メーカーはサイド・カーテンエアバッグの標準搭載が遅れており、廉価グレードではオプションですら選択できないことも多い。そればかりか、マイナーチェンジを機にオプション設定からはずされてしまった車種も存在する。軽自動車では現在においてもサイド・カーテンエアバッグの設定がない車種が多い。

昨今に発表されている新型車のインパネには、助手席エアバッグ内蔵部分の盛り上がりや切れ目のない(=パッと見、ないように見える)車種が多い。その理由として、質感の向上やドライバーの視線の妨げにならないようにすることを目的としている。部品モジュール化やCAD技術の発達、ドイツ製レーザーカット機の導入によるところが大きい。

なお、一部の機械式エアバッグ内蔵ステアリングホイール(例:T210系カリーナ初期型)の場合、クラクションのボタンの位置がそのセンターではなく、スポーク部に付いている場合が存在するので、注意を要する。

[編集] 自動車用エアバッグ作動の流れ

昨今エアバッグというと、自家用車に代表される高速移動体の乗員周辺に装備されるものがまず想像されるが、例えば車椅子のような低速移動体の転倒障害防止装置や、各種スタント行為の障害防止用クッション、さらには惑星間移動体の着陸衝撃の緩和装置にも利用される(下記)ほど、広範な利用価値を持つ。ここでは自動車用エアバッグを中心に、説明をすすめる。

  1. クルマが衝突すると加速度センサーが反応。センサーからエアバッグECUに加速度の情報が送られる。
  2. エアバッグECUは内部でも持っている加速度センサーの情報も加味してエアバッグの展開・不展開を決定する。
  3. 展開との決定が下された場合、エアバッグECUはエアバッグモジュールに展開の指示を行う。
  4. インフレーター("充填機"。エアポンプの一種)にて火薬を爆発させることでガスを発生させ、エアバッグを0.01秒の単位で瞬時に膨らませる。この際、収納部(通常、運転席ではステアリングホイールの中央部、助手席ではダッシュボード上部)を押し破ることでバッグが出てくる。
  5. 完全に膨張したら、バッグの背後に設けられている穴よりただちにガスが抜けエアバッグが収縮する。

人間の眼からは、この動作が一瞬のうちに行われているように見える。


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[編集] 各エアバッグの役割

  • 運転席エアバッグ
  • 助手席エアバッグ
    • 助手席のインパネ上から膨らみ、助手席の搭乗者を前面衝突時のみ保護するエアバッグである(日本初搭載車はホンダ2代目レジェンド、1990年発表)。装備車では、作動の障害になるので「バッグ収納部分には何も設置してはならない」と注意がされている。
  • サイドエアバッグ
    • 側面衝突時に運転席と助手席のシート外側部分から膨らみ、運転席と助手席の搭乗者の胸部、腹部を保護するエアバッグで、最近は後席にも装備するモデルが登場している(日本初搭載車はニッサンFY33型シーマ、1996年発表)。
  • カーテンシールドエアバッグ
    • 側面衝突時または車両横転時にルーフサイド部分から膨らみ、運転席と助手席の搭乗者および後席搭乗者の頭部、頚部を保護するエアバッグである(日本初搭載車はトヨタプログレ、1998年発表)。
  • ドアマウントカーテンエアバッグ
    • 側面衝突時に、窓枠下部からサイドウインドウを覆うように天井へ向けて展開し、乗員の頭部を保護する。オープンカーなど、カーテンシールドエアバッグの搭載が物理的に不可能な車両に採用される(日本初搭載車は日産フェアレディZロードスター、2009年発表)。
  • ニーエアバッグ
    • ステアリングコラムまたはインパネの下部から膨らみ、衝突時に乗員を正しい着座位置に保つために腰部の固定を目的とし、また、下肢部を保護するエアバッグである。運転席のみまたは運転席・助手席用もある(日本初搭載車はトヨタカルディナ、2002年発表)。
  • シートクッションエアバッグ
    • シート座面下に装備されており、衝突時に座面前部を押し上げ、腰部の前方移動を抑止するとともに、下腹部への衝撃を緩和する。(日本初搭載車はトヨタレクサスLS600hL、2007年発表)。
  • リアウインドウカーテンシールドエアバッグ
    • 追突時に後席頭上に展開し、後席乗員の頭部、頚部を保護する。(日本初搭載車はトヨタiQ、2008年発表)。
  • 後席エアバッグ
    • 助手席シートバックに組み込まれ、衝突を受けた後席左側乗員の頭や肩、上腕部を保護する。搭載車はニッサンプレジデント、1993年発表)。
  • 後席センターエアバッグ
    • 側面衝突時に後部左右席の中間に膨らみ、衝突を受けた反対側の後席乗員の頭や肩、上腕部を保護する。日本初搭載車はトヨタクラウンマジェスタ、2009年発表)。
  • シートベルトエアバッグ
    • シートベルト本体にエアバッグが内蔵されており、衝突時に肩ベルトの一部が丸く膨らんで乗員の頚部と胸部を保護するとともに頭部の激しい運動を抑制する。(日本初搭載車はトヨタレクサスLFA、2010年発表)。
  • ITSヘッド・エアバッグ
    • 運転席および助手席の窓枠付近に装備されており、側面衝突時に筒状に膨らみ、頭部を保護する(BMW5シリーズが世界初搭載)。
  • ぺルビスエアバッグ
    • 運転席および助手席の背もたれ外側の低い位置に内蔵されており、側面衝突時にサイドエアバッグと同時に作動し、腰椎や骨盤を保護する(メルセデス・ベンツEクラスが世界初搭載)。

[編集]
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A7">エアバッグの加害性

  • エアバッグは、事故の衝撃から乗員の生命を守るためにきわめて強い圧力で瞬時に展開する。そのため、エアバッグとの接触により、かすり傷打撲などの軽傷を受ける場合がある。また、エアバッグ装置に近づきすぎた姿勢で乗車していると、エアバッグの衝撃により命にかかわるような重大な傷害を受けるおそれがある。
  • テレビなどでエアバッグの動作風景が放送される場合は、高速撮影とスローモーション再生の映像であるため、一見すると柔らかなクッションが上体を優しくキャッチしているように見える。しかし実際は、急速に膨らむバルーンに突っ込むわけであるから、ビーチボールや浮き輪で顔や胸をいきなり突かれるような衝撃がある。ステアリングやダッシュボード、あるいはフロントガラスに頭から突っ込む場合より被害を軽減するべく作られているが、高速での衝突時などでは完全に衝撃を吸収することはできない。
  • エアバッグは、火薬を使って急速に膨らませるため、作動時には車内の気圧が急激に上昇する。窓を閉め切っていた場合などは、この急激な気圧の変化により、鼻血が出たり鼓膜を傷めたりする。場合によっては鼓膜が破れることもある。なお、火薬を使うのは、エアバッグを高速で展開するため。二酸化炭素などのガス膨張では間に合わない。
  • 初期のエアバッグでは、バッグが開いた時に顔面に当たる衝撃で死亡する事故が発生し、アメリカでは裁判にもなっている。
  • 爆発(膨張)音の軽減やエアバッグの膨張~収縮の時間差が工夫されるなど改良が加えられているが、あくまでも乗員の生命保護を第一としていることもあり限界はある。
  • 日本では、お笑いタレントの松本人志がテレビ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」内の企画でのエアバッグ使用によって、顔面に大ケガを負う事故が発生している。

[編集] エアバッグによる死亡事故

  • 1995年4月、福岡県久留米市で、20歳の男性が運転する乗用車が電柱に衝突。車室内に大きな損傷はなくエアバッグも正常に作動していたが、この男性はシートベルトを着用していなかったため、エアバッグによる強い衝撃を受け、心臓破裂により死亡した。[5]
  • 2005年11月、千葉県八日市場市(現:匝瑳市)で、60歳の男性が運転する乗用車が道路脇の1.5m下の休耕田に落下。この男性はシートベルトを着用していなかったため、エアバッグによる強い衝撃を受け、頚部骨折により即死した[6]

[編集] エアバッグによる重傷事故

  • 2006年5月、18歳の女性が運転する乗用車が電柱に衝突。この女性はシートベルトを着用していなかったため、エアバッグによる強い衝撃を受け、消化管を破裂させる重傷を負った[7]

衝突の瞬間、乗員の身体は大きく前方へ移動する。シートベルトを着用していなければ、エアバッグの展開範囲に近づきすぎてしまい、エアバッグが膨らむ衝撃により、死亡または重大な傷害に至るおそれがある。また、小さな子供を助手席に座らせている場合も同様である。

[編集] エアバッグが作動しなかった死亡事故

  • 2007年1月、中国で、男性が運転する乗用車が山に突っ込んだ。運転席のエアバッグは作動し、運転していた男性は軽傷で済んだが、助手席側のエアバッグが作動しなかったため、助手席に乗っていた女性が車外に投げ出されて死亡した[8]

この事故のように、何らかの原因でエアバッグが作動しない場合もある。その場合でもシートベルトを着用していれば傷害を軽減できる。


[編集] エアバッグの注意点

  • シートベルトを必ず着用する(エアバッグはシートベルトを着用している状態での保護を前提としているため)。シートベルトを着用していないと、衝突時に身体が大きく移動し、エアバッグの衝撃を受けて死亡または重大な傷害に至るおそれがある。また、エアバッグが作動しない衝突でも、シートベルトによって傷害を軽減することができる。
  • 子供はできるだけ後席に乗せる。助手席に子供を乗せる場合には、背もたれに背中がついた正しい姿勢で座らせ、必ずシートベルトを着用させる。正しい姿勢で助手席シートに座ることができない場合は、必ず後席に乗せる。
  • チャイルドシート(幼児用シート)はできるだけ後席に取り付ける。乳児用シートなど、後ろ向きに取り付ける方式のチャイルドシートは絶対に助手席に取り付けない。やむを得ず助手席にチャイルドシートを取り付けるときには、助手席シートを一番後ろまで下げ、かつ前向きに取りつけること。助手席エアバッグキャンセルスイッチがついている車種では、スイッチを切り替えてエアバッグの機能を停止させ、取扱説明書の指示に従いチャイルドシートを装着する。
  • 子供をひざの上に抱いたり、助手席の前に立たせたりしない。
  • エアバッグ装置からできるだけ離れて座る。
  • エアバッグ装置にもたれかかったり、手や足を掛けたりしない。
  • エアバッグ装置の上または近くに物を置いたり、ステッカーやテープを貼り付けない。
  • 硬い物、壊れやすいものやとがった物を走行中は身につけず、蓋の付いたケースなどに確実に収納する。
  • サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ装着車では、ドアに寄りかかったり、窓枠に頭をもたれたりしない。
  • エアバッグ作動の際には、火薬の燃焼によるガスが室内に放出されるので、エアバッグが縮小した後も、一時的に視界が失われる。
  • 車両への衝撃の加わり方によっては、エアバッグが開かない場合もある。また逆にエアバッグの必要性を感じないような衝撃によっても、作動してしまうことがある。
  • エアバッグは、標準装備されている車種であっても、いったん作動させると交換に多額の費用を必要とする。これはエアバッグ本体のみならず、センサーユニットまで一式の交換が必要なためである。
  • 車種、年式、走行距離、損害の程度にもよるが、「エアバッグの展開=全損案件」と判断されることが多い。エアバッグの展開を決めるセンサーは自動車の骨格部分に設置されていることが多く、おおよそ軽微な損傷であればエアバッグは展開しない為、「エアバッグが展開するほどの衝撃=修復には相当の費用がかかる」、と判断される為でもある。
  • サイドエアバッグ装着車にシートカバーを取り付ける際は、専用の「サイドエアバッグ対応シートカバー」を購入しなくてはならない。
  • さらに詳しいことに関しては、エアバッグ装備車の取扱説明書を読むことを勧める。

[編集] 関連する法律

エアバッグは火薬を使用する火工品であるが、経済産業省告示第346号によって火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第1条の4第7号の規定に基づき、火薬類取締法(昭和25年法律第149号)の適用を受けない火工品に指定されている。

[編集] 歩行者保護用エアバッグ

乗員保護用のエアバッグ以外に、歩行者保護用のエアバッグの開発も行われている。日野自動車は同社が発売する小型トラックデュトロのフロントバンバー下にエアバッグを展開して歩行者の巻き込み事故を防ぐ装置を2004年に発表し、西濃運輸の集配用トラックに採用が予定されている。[要出典]


[編集] 自動車以外のエアバッグ

[編集] オートバイ

オートバイ用のエアバッグも開発されている。現在市販化されているのは、無限電光が製造しているヒットエアーのみである。このヒットエアーは車両本体に装着される自動車のエアバッグと異なり、着用するジャケットに装着される。多くのオートバイの事故の場合、乗員は車両から放り出されることから、乗員が車両から放り出された時にジャケットに内蔵されたエアバッグが作動するというもので、これを応用した乗馬用ジャケットも製造されている。車両本体側に装着するエアバッグは、2005年に本田技研工業が試作モデルを発表し、2007年に世界初の二輪車用エアバッグを搭載したホンダ・ゴールドウイングを発売した。

[編集] 自転車

自転車用のエアバッグも開発されており、現在市販化はされていないが、スウェーデンのAnna HauptとTerese Alstinが卒論プロジェクトでデザインしたHovdingのみは販売が予定されている。このHovdingは襟巻のように首に巻くことで装着される。追突などの衝撃で自転車の運転者が飛ばされ、自動車や路面などに頭部を打ちつけて負傷・死亡することがあるが、こうした状況においてもスカーフに内蔵されたエアバッグが作動して頭部を覆うことができれば、衝撃を吸収し重症・死亡から守ることができる。

[編集] 惑星探査機

1997年、火星探査機『マーズ・パスファインダー』はエアバッグで火星に着陸した。着陸直前に24個のエアバッグが開き、探査機全体を包み込む構造だった。

[編集] 雪崩対策

雪崩対策としてエアバッグが有効である。雪崩で最も恐ろしいのは雪中に埋まってしまうことなので、エアバッグの浮力によりそれを防ぐことができる。

ザック型の背負い装備、またはザックに装着する装備として販売されている。作動は手動である。


[編集] 出典・脚注

  1. ^ Popular Science May, 1968
  2. ^ "Inventor of the Week: Archive". Web.mit.edu. 2010年2月27日閲覧。
  3. ^ Safety Design, John Fenton, The Times Jan 24 1969
  4. ^ 誰が昭和を想わざる 昭和ラプソディ
  5. ^
  6. ^
  7. ^
  8. ^

[編集] 関連項目

[編集]

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